環状線新今宮駅東改札口 ⇒ じゃんじゃん横丁 ⇒ 通天閣 ⇒ 阪堺線恵美須町駅 ⇒ 阪堺線粉浜駅 ⇒ 粉浜駅前の万葉歌碑 ⇒ 粉浜商店街 ⇒ ランチ ⇒ 住吉大社 ⇒ 阪堺線住吉神社前 ⇒ 阪堺線浜寺駅前 ⇒ 浜寺公園の万葉歌碑 ⇒ 南海浜寺公園駅旧駅舎 ⇒ 南海難波駅 ⇒ 地下鉄で梅田

2月15日は私が学生時代のお友達を案内するきまぐれ歴史探訪で、大阪の下町と阪堺電車で万葉故地をめぐりました。
今回は数十年ぶりの再会となった徳島のお友達も参加されました。まず大阪環状線新今宮駅で集合し、じゃんじゃん横丁、新世界を歩きます。大阪の中でも独特の雰囲気の新世界、通天閣が見える一角です。

阪堺電車へは恵美須町駅から乗車し、東粉浜まで乗車しました。この辺りで並走する南海電車本線粉浜駅前には、犬養孝先生の揮毫による粉浜の万葉歌碑があります。
住吉乃 粉濱之四時美 開藻不見 隠耳哉 戀度南
(住吉の 粉浜のしじみ 開けもみず 隠りてにみや 恋ひわたりなむ) 作者未詳 巻六 九九七
住吉の粉浜の蜆が蓋を閉じているように、私は、胸の思いもうちあけることもせず、じっと心のうちに籠めたまま、思いつづけることであろうか。

久し振りにこの場所へやってきたのですが、その万葉歌碑が置かれた同じ場所に「水木しげる先生 生誕の地」とする碑が新たにできていました。
水木しげるは、大正11年(1922年)、この粉浜で生まれ、そして生後間もなく鳥取県の現在の境港市へ帰郷したということです。
犬養孝先生が戦後長らくお住まいであった粉浜、さらにその後亡くなられるまでおられた西宮市の今津、その今津には水木しげるがアパートを経営していた時代があり、現在も水木しげるの名前を冠する通りが今津にあります。こんなお二人のご縁が強く絡まっていることが分かりました。

粉浜から歩いて住吉大社へやってきました。江戸時代には広く庶民からも崇敬された、摂津国の一宮として大阪の代表的な神社です。境内にある4つの本殿が国宝に指定されています。太鼓橋を渡ってお参りさせていただきました。

この日の移動は阪堺電車です。住吉大社前から乗車しあびこ町で乗り換えです。やってきたのは300形。この日は残念ながら161形などの旧型車には出会えませんでした。

阪堺電車に乗って浜寺駅前電停までやってきました。駅前の浜寺公園にある犬養孝先生の万葉歌碑です。
大伴乃 高師能濱乃 松之根乎 枕宿杼 家之所偲由
(大伴の 高師の浜の 松が根を 枕き寝れど 家し偲はゆ) (置始東人おきそめのあずまひと 巻1-66)
大伴の高師の浜の松の根を枕にして寝ていても、家のことが偲ばれることだ。

最後に南海電車本線の浜寺公園駅の旧駅舎を見ました。ハーフティンバー様式の意匠を持つ明治40年(1907)建築の木造駅舎です。
この数日前に不心得者がこの駅の柱を蹴って傷つけたとかで、そのあとを探しましたが見つかりませんでした。大切な鉄道文化財ですから、これからも大切に保存してほしいものです。
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