兵庫芸術文化センター管弦楽団第90回定期演奏会
本日は、昼から西宮北口の芸文ホールで開かれた兵庫芸術文化センター管弦楽団の第90回定期演奏会を聞いた。今回からまた新たなシーズンである。シーズン初めの指揮はずっと佐渡裕である。今日は、70分にわたる大曲の、ブルックナーの交響曲第9番ニ短調のみである。
さて、この深遠な楽曲は、小生が初めてブルックナーにはまってそればかり聴くことになってしまったのが交響曲第9番である。本当に隅々まで知り尽くしているといっても過言ではないと自負している。それだけに楽しみにしていた。第一楽章のトレモロからもうブルックナーの世界である。重厚なサウンドがホールに満ちている。もうそれだけで聴く側としては満足感に浸ってしまう。やっぱり、ブルックナーはいいなぁ。特にこの曲は特別だ。
ところが、今日は、弦楽器の配置が16+14+12+10+8と大変な奏者がステージに並んでいる。管楽器は三管編成、ホルンは9本並んでいる。ステージに並ぶこと自体がもう限界というほどの人数なのだ。
で、全奏でのフォルデでは、ホールの音響のキャパを越えてしまい、音が割れる事態となってしまい、特に弦楽器の美観が損なわれてしまう。
とにかく大きな音を出さないという思想は、佐渡裕の指揮者としての、どの時代に入り込んだものだろう。この曲で弦楽器の美観が損なわれてしまったら価値がないに等しい。佐渡の指揮も、以前の様に音楽の殻は大きいけれど中身がない演奏から少しは脱却しつつあるように思っていたが、少しは中身が入るようになっていただけに、客席で聴いている立場での演奏の組み立てができないことに気が付いてほしいところだ。自分が酔うような指揮は、聴衆には必要ないのだから。
しかも、これ一曲でコンサートが終わったから、16時半にはホールを出ていた。まあ、おかげで、次のコンサートにスムーズに駆け付けることができたわけではあるけれど。何とも、ため息の出るコンサートであった。
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