兵庫県立芸術文化センター管弦楽団第113回定期演奏会
本日は、昼から西宮北口の芸文ホールで開催される兵庫芸術文化センター管弦楽団の第113回定期演奏会を聞きました。
今日はクラウス・ペーター・フロールの指揮、クレア・フランチのピアノで、エグモント序曲、シューマンのピアノ協奏曲、ブラームスの交響曲第1番です。
木曜日にブラ1のリハーサルを聞きましたがフロールのすごい気迫での指導にびっくり、楽員も熱が入っていることが期待できました。
エグモント序曲から、もうこれは大人の音楽です。どっしりと構えてベートーヴェンの音楽と対峙した音楽づくりが感じられます。シューマンは、ものすごく腕が達者なフランチに対して、フロールはあくまでシューマンの音の感触をオーケストラから引き出そうとした分、若干お互いの乖離が見られましたが、全体としては高いレベルでのことです。そして演奏されるピアノに、久しぶりに知性というものを感じました、これも素晴らしい。
とっても良かったのは、木曜日のリハーサルでも聞いたブラームスでした。芸文オケでこれだけナイーブで抑制のきいた綺麗な響きを引き出した指揮者があったでしょうか。リハでも感じましたが、音の調和を求めて繰り返し厳しい内容で進められていました。また、音楽がそこで息づいている実在感に満ちた演奏であったことも追記しておきます。
オーボエの吉村結美さんは、今回の定期演奏会をもってNHK交響楽団に移籍されるようです。もう少し、このオーケストラで聞きたかったのですが、新天地でも頑張ってほしいと思います。
辻邦生 地中海幻想の旅から 中公文庫/読了・・・・・・・・・・・久しぶりに読んだ辻邦生の文章に癒されました。辻の文章の奥には確実に死と向き合った思想が絡んでいるのですが、今回の様に旅というテーマの中では、何かさらに求めていく姿勢が見られます。あきらめてはいないのだと思います。特に、フランスに対しての思いが重要な辻の世界では、旅という概念も時間空間を彷徨います。場所を移動するというより、その場所の歴史的時間と空間を同時に肌に感じながら、呼吸を繰り返すような感覚でしょうか。読んでいて、文章の方から直截的に思いが頭に入り込んでくる感覚も久しぶりのものでした。これは相性かもしれませんね。
« 阪急ガーデンズリニューアルHM車 | トップページ | かぎろひ歴史探訪 大和三山 »
「兵庫芸術文化センター管弦楽団」カテゴリの記事
- 兵庫芸術文化センター管弦楽団第153回定期演奏会 9/13(2024.09.14)
- 兵庫芸術文化センター管弦楽団第152回定期演奏会 8/2(2024.08.03)
- 兵庫芸術文化センター管弦楽団第151回定期演奏会 6/14(2024.06.16)
- 兵庫芸術文化センター管弦楽団 第150回定期演奏会 5/10(2024.05.11)
- 兵庫芸術文化センター管弦楽団第149回定期演奏会 3/22(2024.03.23)
コメント