兵庫芸術文化センター管弦楽団第119回定期演奏会
昨日11月23日は、待ちに待ったカーチュン・ウォンが振る兵庫芸術文化センター管弦楽団の第119回定期演奏会でした。昨年、東京佼成ウィンドオーケストラに来演し、空前絶後の展覧会の絵を指揮したことは生々しく記憶に残っています。この芸文オーケストラの定期に登場するとあって、その発表からこの日を待ちに待っていたのです。
指揮のカーチュン・ウォンは1986年シンガポールの生まれ、現地の音楽大学で作曲を学んだ後、ドイツの音楽大学で指揮を学んでいます。クルト・マズアに師事して活動の幅を広げています。この日は、アントニオ・メネセスを迎えてショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番で始まりました。メネセスは素晴らしいテクニックと豪快な演奏でこの難曲をこなしていました。また、オーケストラが実に柔らかくチェロを支えていました。
後半はマーラーの交響曲第1番「巨人」です。第一楽章の出だしの指揮、右手のタクトを左から空中に向けて波打つようにゆっくりと振り上げていきます。もうそこからカーチュン・ウォンの世界でした。各パートのフレーズのつなぎに細かく配慮し、音楽の流れ、内にある音楽の呼吸、どちらかと言うとゆっくりとしている部分はよりゆっくりと歌わせながら、過度な表現はとりません。それでも音楽がどんどん分厚くなっていきます。
最終楽章でホルンが立った頃には、全身に入ってきた音楽で身体が震えだし、なんだか感極まって泣きそうになってしまいました。こんなすさまじい体験ができるので、音楽を聞くことがやめられません。定期演奏会は今日24日もあります。時間があれば聞かれることをお勧めします。そこには未知の音楽体験が待っていることでしょう。
芸文ホールの近くの木々もすっかり色づきが進み、もう散ってしまった葉も多くなりました。秋から冬への移行が風景にも感じられました。
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