アンサンブル・フリーWEST第38回演奏会 5/19
今から50年以上前、中学生の私は西宮市中央図書館でクズネツォーフの「バービイ・ヤール」と出会いました。
第2次世界大戦において、今のウクライナ、キエフ郊外のバービイ・ヤールという谷でドイツ軍によるユダヤ人の大量虐殺が行われたという事実を明らかにした著作、たいへんな衝撃を受けた内容でした。
昨日、5月19日は、クズネツォーフではないですが、エフゲニー・エフトシェンコの詩によって触発されたショスタコーヴィチが作曲した交響曲第13番「バビ・ヤール」が演奏されるというので、アンサンブル・フリーの演奏会に出かけました。
まず演奏されたのは、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」でした。
これがきりっとした素晴らしい演奏でした。指揮はオーケストラの主宰者、浅野亮介さん。
オーケストラの音が締まった音でパンと鳴る小気味良さでぐいぐい引き込まれました。
そして、後半は「バビ・ヤール」でした。この曲はオーケストラと男声合唱と詩を語るバス歌手によって演奏されます。
バスを担当した市川敏雅さんは大変優れた歌唱で見事でした。
そして重い内容の音楽をまともに受けて、なんだか言いようのない音楽体験をしてしまった気分で帰途につきました。
50年以上の時間空間を越えて、人生の点だった文学と音楽が結びついた時間でした。
会場の尼崎アルカイックホールです。
既に建て替えが決まっている神戸文化ホール(1972年竣工)よりも10年新しい1982年の竣工ですが、既にかなり老朽化している部分もあり、昨今の畿内の新しいホール建設が続いていることからも、シュッとしたコンサートホールの新設を期待したいところです。
最近のコメント