最近のCDから ヴェデルニコフのリスト、ラヴェル、フランク
コロナコロナで梅田へ出かけることも厭わなければならない昨今ですが、たまに所用でその近くへ行ったときは、ディスク・ユニオンに立ち寄り、好みのレコードやCDを買い求めるのは何よりの楽しみとなっています。
大阪では老舗のレコード店というと、堂島にワルツ堂がありましたが、いろいろあってワルティとか店名も変え、駅前第一ビルの地下一階のお店を最後に消滅(シャイな店主のN氏のご病気が発覚)してしまいました。
その直後に立ち上がったのが、ディスク・ユニオンで、さらにそのクラシック館という専門店も出来、足しげく通うことになりました。
さて、先日出会った一枚が、幻のピアニストと言われたアナトリー・ヴェデルニコフによる、リスト、ラヴェル、フランクの作品集です。
ヴェデルニコフ(1920-1993)は、主にロシア国内で活躍していたため、西側に知られることは晩年までありませんでした。ソ連が崩壊したときにはすでに演奏活動を終えていたというタイミングの悪さもあります。
リストもそうでしたが、こんな透明感があって軽やかなラヴェルのピアノ演奏って他で聞いたことがありません。音を通して聞こえてくる音楽に崇高ささえ感じます。音楽を聴くというよりも精神を聴いているという実感があります。
それは彼のバッハの演奏でも感じることですが、よく音楽表現の精神性の現れとか、批評家が使う言葉ですが、まさにその言葉通りの音楽がここにはあります。
ヴェデルニコフについては、彼の死後に作られた「あるロシア人ピアニストを巡る対話」という放送が残されていて、その中で彼の演奏を目にすることが出来ます。⇒ ★
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