最近のLPから モーツァルト2題
コロナによる外出自己制限のため、ネタが枯渇しつつある今日この頃、たまにある最近のLPの話題でお茶を濁します。
モーツァルトの「エクスルターテ・ユビラーテ」。舌を噛み切りそうになるような曲名で、それは無視するとして、かわいいエディット・マティスの笑顔が、買ってね!とささやいてかのような眩惑に迷わされ手に取った一枚です。背景のオルガンの装飾と合わせてみたら、なんとなくモーツァルトの宗教音楽、それもソプラノとオーケストラによる構成のようです。
で、買って帰り、家でジャケットを裏返して見ると、この曲名は超有名なモテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂」であることが判明。とても小さな字で書いてあって気が付きませんでした。それなら買いで正解でした。伴奏は、マティスの夫君であるベルンハルト・クレー式のドレスデン国立管弦楽団と申し分ありません。1977年、ドレスデンの聖ルカ教会での録音。
モーツァルトの宗教作品をもう一枚。モーツァルトが作曲したオルガン曲を集めた一枚です。アレグロとフーガ、プレルジームとフーガ、イントラーダとフーガ、アンダンテカンタービレなどなど。初めて聞く曲ばかりですが、しんみりと崇高な音楽が聞こえてきます。1961年にキルヒハイムボーランデンにある1745年製のオルガンで録音された一枚。
調べてみたら、こんな建物の教会の中にあるモーツァルトオルガンと呼ばれる立派なパイプオルガンで演奏されたようです。その後いろいろと手が加えられたようですが、2020年代に元の姿を目指して修復されるようです。一枚のレコードから話題が広がりました。
中野雄 ベートーヴェン 音楽の革命はいかに成し遂げられたか 文春文庫/読了・・・・・・・今年はベートーヴェンの生誕250年にあたり、本来なら世界各地で盛大な祝賀あるいは記念の演奏会が繰り広げられる予定でしたが、新型コロナで著しくその見込みが縮小されてしまいました。来年生誕251年記念をやれれば良いのですが。ということで、ベートーヴェンの誕生日と言われる12月16日の翌日、17日の洗礼日に手に取った一冊でベートーヴェンの生涯を振り返ることが出来ました。巻末に著者好みのディスコグラフィーが並べられています。小生より少し古い時代の好みかと思いますが、「演奏の技術的精度の高さが、音楽の価値を決めるような現在の風潮を嘆く」とする一文には、大拍手です。
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