ハイマート交響楽団演奏会
関学OBの浦優介という人が自分で団長と指揮者を兼ねるというハイマート交響楽団が尼崎のアルカイックホールで演奏会を開いた。ハイマートというと京都大学のOB合唱団にも同じ名前があるが関係なさそう。100名にもなる団員の半分は関学響の出身という。浦さん、関学響で3年間楽内指揮者をして、現在に至っているようだ。ハイマートとは、ドイツ語で「故郷」のこと。演奏曲目は、ブルックナーの交響曲第4番ロマンティックとマーラーの交響曲第1番「巨人」しかも花の章付きという、アマチュアならではのうれしいラインナップである。
先ずは、ブルックナーの交響曲第4番である。分厚い響きをさらに重ねていく手法でブルックナー特有のパイプオルガンのような効果が随所に発揮され、この長い交響曲を飽きることなく聞き続けた。いくつか、凝った表現があったがそれぞれ壺にはまった処理でおもしろく聞かせてもらった。金管が力強く全体を支えたので安心感も大きかった。
30分の休憩の後、今度は前半とは全く質感が異なるマーラーの音楽を聞かせてくれた。しかも、マーラー自身が削除した花の章付きという。こういう具合にでもしなければあの楽章を聴く機会はないだろう。生で聞いたのは2回目かな。この演奏は、細かなことは書けないがブルックナー以上にいくつも仕掛けが施され、それが全く違和感なく、納得して効果が発揮されていて、ブルックナー以上に面白い演奏になった。指揮者が練りに練ったという印象。2曲とも素晴らしい仕上がりで、当然のことながら堪能しつくして帰途に就いた次第である。
ハイマート交響楽団、今後の活動があるのかどうかわからないが、アマチュアらしいオーケストラとして発展してほしいものだ。
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